web戦略の立て方とフレームワークの使用例6つ

1. web戦略とは

web戦略はビジネスを成功に導くロードマップです。すべてのウェブサイトの目的の中で最も重要なことは、検索エンジンによる検索結果で上位に表示されることです。有用な情報が沢山詰まった、見た目の良いサイトを作成しても、効果的なweb戦略がなければ、優れたWebサイトとはいえません。

web戦略の例としては、コンテンツマーケティング、SEO、リンクビルディング、ソーシャルメディア、ウェブサイトデザインなどがあります。これらの戦略のすべてを組み込むことは、あまりにも大変に思えるかもしれませんが、根気よく取り組む必要があります。web戦略は長期的に多様なメリットをもたらすでしょう。

 

2. ブランディングによりターゲット市場で信頼感と知名度を高める

 

ウェブサイトへのトラフィックを促進することができても、ウェブサイト訪問者を長期的な顧客に変えるには、ブランディングを行う必要があります。ブランディングは企業とサイト訪問者を即座に結び付けます。

ブランディングは、誰もが共感できる多くのweb戦略のうちの1つです。コカコーラの有名なロゴやナイキのスローガン「JUST DO IT」を考えてみてください。そういうイメージや言葉が持つ効果は、ブランディングが消費者に与える影響を伝えます。

 

3. ウェブサイトのトラフィックをリードと売上に変換する

トラフィックの促進は、沢山のweb戦略のうちの1つにすぎません。トラフィックを促進した後で考慮すべきことは、そのトラフィックをリードに変えることです。効果的なweb戦略計画は、リードコンバージョンに不可欠です。

リードジェネレーションは、サービスや製品の種類によって異なります。電子メールサブスクリプションにリードマグネット（景品）を提供することは、訪問者に電子メールアドレスの送信を促す効果的な方法です。社内でそのようなことを行うためのリソースがない場合や、専門家のベストプラクティスに従いたい場合は、顧客を引き付け、コンバージョンにつなげる電子書籍やウェビナーを書いたりデザインできる、ライターやデザイナーへの依頼を検討してください。

3. 製品／サービスをオンラインで販売する

 

製品やサービスをオンラインで直接販売すること、特にサイトを通じて販売することで、サイトのエンゲージメントと顧客ベースを増やすことができます。 eコマースプラットフォームで、Webサイト自体を介するなど、製品を販売するいくつかの方法を見つけることができます。ソーシャルメディアプラットフォームは、業者が製品をオンラインで販売する方法をどんどん増やしています。

 

商品を販売することがメインではなくても、商品を作成することでブランドを構築できます。Tシャツ、マグカップ、記念品などについて考えてみてください。また、サイトのウェビナーと有料プランを検討してください。

 

5. 競争上の優位性に焦点を合わせる

web戦略計画では、競合他社とは一線を画す製品やサービスについて考える必要があります。最良のweb戦略の1つは、競争上の優位性を理解して作成することが含まれます。

調査を行い、顧客のフィードバックを収集することは、不可欠で効果的なweb戦略です。顧客がブランドの何を好むか、未来に何を望むかを知ることが最大の目的です。

6. 営業チームを支援する

ほとんどの消費者は1日に何千もの広告を目にすることにかなりうんざりしているため、売上の創出はこれまで以上に困難です。営業チームは、消費者へのリーチとエンゲージメントを容易にするために、追加のサポート、新しいアプローチとツールを必要としています。

訪問者がすばやく回答を見つけることができるように、すべての質問に回答するために必要な情報とウェブサイト上のリソースを営業チームに提供します。訪問者にアピールするコンテンツを作成すると、チームが売り上げを変換しやすくなります。

7. コンテンツの発信によりソートリーダーになる

コンテンツはサイトへのトラフィックを促進するだけでなく、価値を提供する必要があります。Webサイトの戦略計画には、情報と指針を提供する価値の高いコンテンツを含める必要があります。

ウェブサイトの目的はの製品やサービスを独特にするもの、またはそれが提供できる特別な専門知識に焦点を当てることを含むべきです。たとえば、ライフスタイルブランドを展開していて、スキンケアの専門知識がある場合は、この専門知識を示し、共有してください。

8. 忠実なフォロワーを獲得する

すべてのブランドには、忠実なフォロワーが必要です。リピーターは初めての顧客より購入する確率が高いことが分かられています。そのため、ブランドを成功させるには、フォロワーを増やすことが不可欠です。

ブランドと関わるための複数の方法を作成します。web戦略には、ウェビナー、ソーシャルメディアグループ、電子メールサブスクリプションリストなど、様々な方法の作成が含まれます。

ソーシャルメディアに投稿し、ブランドのフォロワーになる顧客に報酬を与えることで、ブランドの宣伝を強化します。新規の顧客は、ブランドよりも他の顧客の口コミを信頼するでしょう。web戦略計画には忠実なフォロワーの獲得を含みます。

9. Web戦略を構築するための5つの方法

web戦略計画を立てることは成功のために不可欠です。多面的なアプローチを使用し、次の5つの手順に従って、サイトのトラフィック、エンゲージメント、コンバージョンを増やします。

1) ビジネスの目標を達成するためにウェブサイトを使用する

長期的および短期的なウェブサイトの目標を考えましょう。ウェブサイトのパフォーマンスを向上させるさまざまな種類のコンテンツ戦略、Webデザイン、およびその他の方法について考えてください。

ユニーク訪問者、エンゲージメント、クリック、コンバージョンを反映するデータ分析とツールを通して、成功を測定する方法を見つけましょう。

ブランドの全体的な目標において自社のウェブサイトがどのような役割を果たすかを想像してください。現在のサイトの長所と短所、および途中で直面する可能性のある課題を予測します。ブランド認知度と売上を向上させるweb戦略計画の準備になります。

2) 特定のオーディエンスにリーチする

明確なターゲットを設定することで、より簡単にオーディエンスにリーチできます。既存の顧客について調査しましょう。既存の顧客は特定の購買層、年齢、およびキャリアを表していますか？その情報を使用して、マーケティングを明確にするのに役立つペルソナを作成します。

web戦略の例としては、ウェブサイトにさまざまなコンテンツやセクションを作成して、さまざまなペルソナを引き付けます。

web戦略には、様々なペルソナにアピールする、様々な種類のコンテンツや製品が含まれます。これは、顧客ベース全体に対処するのに役立ちます。

3) ブランドの正確な情報を伝える

商品やサービスを反映したいブランドイメージを構築する方法の１つは、人々によるブランドの口コミと、その口コミ対するブランドからの回答です。ブランドに関するフィードバックや正直な回答を得るために、レビューやソーシャルメディアのディスカッションを見ましょう。

ウェブサイトを見た瞬間にその製品やサービスが何なのかを知ることができることが重要です。そのため、視覚、記載内容、サイト構造を通してメッセージを作成することをウェブサイトの目標に含む必要があります。

4) 競合他社の分析

何百万もあるウェブサイトの中で、自社のウェブサイトを目立たせることは大きな課題です。競合他社を分析することは、自社のウェブサイトを特徴づけるために必要なweb戦略です。

最初のステップは、競合他社を見つけることです。 そして、競合他社のサイトやソーシャルメディアグループに参加して、人々の意見をよく確認しましょう。 競合他社の製品とサービスを見て、各社のウェブサイトにおけるコンテンツ戦略を理解してください。

会社が重点的に取り組むことが、価格、サイトの画像、ユーザーフレンドリーな機能、または専門的に作成されたコンテンツであるかどうかは別として、顧客の期待に応えることと、競合他社を超えることは非常に重要です。これは、特定の分野で競争し、独自の製品やサービスが秀でることを意味します。

5) マーケティング戦略を実行する

コンテンツ戦略、リンク構築、SEO、データ分析、ウェブサイトデザインなどの完璧な計画を立てることができたら、具体的な行動計画も必要です。ロードマップに加えて、具体的な目標と、タスクを完了すべき期限を決定する必要があります。

ウェブサイトのパフォーマンスを評価するために、日次、週次、月次のチェックリストを作成します。定量的および定性的な分析と顧客からのフィードバックを使用します。改善できる場所を特定する自動ツールを使用してサイトをテストします。ウェブサイトに客観的なフィードバックを提供できる専門家の助けを借りてテストすることもできます。

10. Webを利用して戦略を達成する

すべてのweb戦略の計画には、以下を含める必要があります。

LP（ランディングページ）

モバイルフレンドリー（スマホ対応）

SEO（検索エンジン最適化）

有料キャンペーン

被リンク（バックリンク）

ソーシャルメディア

コンテンツ

メールマーケティング

オンラインレビュー

ランディングページを最適化すると、訪問者に自社の製品やサービスの強い印象を与えることができます。それは、モバイルユーザーがサイトを簡単に表示してアクションを実行できるようにすることを意味しています。SEOは、検索ランキングで上位にランクインし、サイトへのトラフィックを増やすために不可欠です。被リンクを獲得することは、キーワードと同様、ターゲットトラフィックとコンバージョンを増やすためにも重要です。

web戦略には、ブランド認知度を高め、より多くの人々が自社サイトを訪れるように促すソーシャルメディアが含まれます。メールマーケティングは、忠実な顧客と関わり、ブランドのストーリーを伝え、ウェブサイトにアクセスしたり、製品を購入したり、デモを予約したりするなどの行動を取るように促すための優れた方法です。

オンラインレビューは、ブランドがどのように評価され、改善する必要があることを見つけるのに役立ちます。

個人や企業がすべてを行うことは難しいです。上記のタスクの一部を専門業者にアウトソーシングすることで、品質と専門知識を確保し、費用と時間を節約できます。エキスパートデザイナー、ライター、SEOスペシャリストを見つけることで、web戦略に革命を起こすことができます。

11. フレームワークの使用例

Web戦略におけるフレームワークとは、課題について思考の順番と目的を明確にし、その目的に合わせて用意されたフレーム（枠組み）に入れて考え、要点を明らかにしていく思考法です。決められた枠組みの中で考えを進めていくと、取り組むべき課題と目標が明確になり、戦略を効率的に立てられるようになります。

Web戦略における課題や解決策を考える際の枠組みを「フレームワーク」と表現します。フレームワークの中で考えを進めていくと、取り組むべき課題と目標が明確になり、戦略を効率的に立てることを可能にします。

Web戦略に効果的なフレームワークには、様々なものがあります。特に今日頻繁に用いられている手法は下記になります。

・STP分析

・PEST分析

・3C分析

・4C分析

・SWOT分析

・4P分析

「STP分析」「3C分析」「SWOT分析」を取り上げて、フレームワークの使用例を紹介します。

1) STP分析

STP分析とは、「Segmentation （セグメンテーション）」「Targeting （ターゲティング）」「Positioning （ポジショニング）」の3つの英単語の頭文字をとって名付けられた分析法です。 

セグメンテーションで市場の全体像を把握し、ターゲティングでそこから狙うべき市場を決定し、ポジショニングで競合他社との位置関係を決定します。

ブランドそのものや、販売する商品またはサービスなどのポジションを明確にすることは重要です。ビジネスを取り巻く環境を理解して、どのような立ち位置を取るかによって、将来的なweb戦略だけでなく、利益に対しても大きく影響を及ぼすからです。

使用例

①マクドナルド

S「セグメンテーション」

・値段

・品質

・顧客層

・スピード

T「ターゲティング」

・値段：安い

・品質：あまりこだわらない

・顧客層：幅広い

・スピード：重要

P「ポジショニング」

・値段：100円バーガーや100円コーヒー、クーポンの配布などで、低価格を追及

・品質：混入事件などで評判を落として以来、以前より品質は良くなったが、他のセグメントに比べて重要度は低い

・顧客層：ハッピーセットで子ども連れの家族層、朝マックで出勤前の会社員、100円コーヒーやクーポンで夕方の中高生、夜は軽食を食べながら仕事をする会社員

・スピード：商品提供の速さにこだわり、マニュアルにも組み込まれている

②スターバックス

S「セグメンテーション」

・値段

・品質

・顧客層

・市場

T「ターゲティング」

・値段：チェーン店としては高め

・品質：チェーン店としては高め

・顧客層：金銭面に余裕のある会社員

・市場：大都市

P「ポジショニング」

チェーン店としては高めの価格の、チェーン店としては美味しいコーヒーを、都会で暮らす、または働く経済的余裕のある人々に、おしゃれで高級感のある空間で提供する。

2) 3C分析

3C分析とは、「Customer（市場・顧客）」「Competitor（競争他社）」「Company（自社）」の3つの英単語の頭文字をとって名付けられた分析法です。

市場・顧客、自社、競合のそれぞれの観点から企業内外の環境を分析するのが特徴です。

3C分析は掘り下げる内容がそこまで専門的ではないので、多くの企業で手軽に取り組めます。また、企業の置かれている状況を客観視できるため、「今後どのような方針で事業を展開すればよいか」をイメージしやすくなります。

3C分析の特徴は、シンプルでわかりやすいため、多くの企業で手軽に取り組めます。また、企業の置かれている状況を客観視できるため、今後の方針をイメージしやすくなります。

使用例

①トヨタ自動車

市場･顧客

・若年層の伝統的な車種離れ

・環境保護意識が高い富裕層

・2021年の米国内自動車販売台数首位

競争他社

・テスラ

・フォルクスワーゲングループ

・BMW

自社

・日本車の信頼性、安全性、耐久性

・高性能技術の開発と改良

・自己主張が強すぎないスタンダードなデザイン

・ハイブリッドカーが充実

②ユニクロ

市場･顧客

・性別は男女問わない

・子どもから高齢者まで世代を問わない

・国内・海外を問わない

競争他社

・しまむら

・無印良品

・GAP

自社

・低価格で高品質

・多くの自社商品を開発

・世代を問わないカジュアルウェアに特化

・普遍性の高いデザイで、流行を追いかけ過ぎない

3) SWOT分析

SWOT分析とは

SWOT分析とは「Strength（強み）」「Weakness（弱み）」「Opportunity（機会）」「Threat（脅威）」の4つの英単語の頭文字をとって名付けられた分析法です。

この4つの要素は企業・事業がおかれているビジネス環境を「内部環境」の「強み」と「弱み」と、「外部環境」の「機会」と「脅威」に分けられます。

多くの情報をシンプルに考えられるようになる分析方法のため、方法を覚えてしまえば、簡単にSWOT分析を使いこなせるようになります。

使用例

①Apple（アップル社）

強み

・圧倒的なブランド力

・革新的な製品

・幅広い製品

・高いデザイン性と技術

弱み

・高額な価格設定

・iPhoneおよびiPadシリーズ

・他のソフトウェアとの互換性がない

機会

・忠実な顧客が多い

・広範な流通ネットワークの構築

・資格のある専門家

・成長し続けるスマートウェアラブルテクノロジー

脅威

・モバイル分野の競合増加

・スマートフォン市場全体の伸び悩み

・偽造品を販売する第三世界

②IKEA

強み

1.手頃な価格

2.独自性

3.ブランドの評判と市場での存在感

4.多種多様な製品

弱み

1.アジアでのシェアの少なさ

2.品質の低下

3.輸送における課題

機会

1.第三世界への拡大

2.オンライン販売の成長

3.技術革新

脅威

1.競争の激化

2.インフレ

3.持続可能な原材料の欠如

12. まとめ

Web戦略というと、聞きなれず、難しいイメージを持つ方も多いかもしれません。しかし、重要なのは、ウェブサイトを構築していく際に、目標を達成するためのプロセスを明確にイメージしようとすることです。

じっくりと考えられたweb戦略は、様々な局面においてベストな選択をするための指針となり、ブランド認知度を高めるのに役立つでしょう。